ラブレスナイフの製作者はなぜナイフの神様と呼ばれたのか?

ラブレスナイフといえば、ナイフに関心を持つ人ならきっと一度は目にしたことがあるカスタムナイフ。

製作者のR.W.ラブレスは、「ナイフの神様」と呼ばれていることもナイフ業界では有名な話ですよね。

実をいうと、ナイフは好きだけどまだまだ知見が足りない私は、なぜ彼がナイフの神様と呼ばれていたのかをハッキリと知りません。

今までは通ぶって、「あの人はナイフ職人のなかで一番なんだ」ということだけを覚えて、いっぱしのナイフ愛好家を気取っていました。

しかし、これからナイフの趣味を深掘りしていくのであれば、知らないままでいるのは何かちょっと。そこで、このブログを通してラブレス氏の軌跡を追いかけてみることにしました!

これは記事というよりも、私自身のメモみたいなものになります。もちろん、できるかぎり読み手にとって面白い内容にするつもりではありますが、私よりも断然ラブレスナイフに詳しい人を満足させる記事にするには、まだまだ時間がかかるかなと。

コツコツと加筆修正していくので、気長にお付き合いいただけると幸いです。

 

ラブレスがナイフ職人になったきっかけ

ラブレス氏はもともと船乗りで、ナイフに関わる仕事をしていたわけではなかったようです。

あるときナイフが必要となった彼は、当時アメリカで大好評を博していた「ランドールナイフ」を求めて取扱店へと訪れたのですが、予約なしでは買えない事実を知り入手に失敗。仕方がないので車の板バネを使って自分で作ることにしたそう。

この買えなかった経緯には諸説あって、お金が足りなかったからという話もありますが、まあそこは置いておきましょう。

もうこの時点ですでに神がかっていると思いました(笑)手に入れられなかったのがホームセンターとかに置いてあるような無名のナイフだったのならまだ分かりますし、DIYしようかという気持ちになるのも頷けます。

しかし彼が買い求めていたのは超一流のカスタムナイフですよ。それが買えないとあったら、普通は予約待ちするか、代わりに他のナイフを買うでしょうに、それを自分で作ろうと思ったのだからすごい。

そして結果的に彼は、プロのナイフ職人が度肝を抜くようなナイフを見事に作り上げ、あれよあれよという間に伝説的なナイフ職人へとなっていったのだそう。

ちなみにナイフとは関係ないけれど、欲しいものが手に入らなくて自分で作った例は他にもあります。

私がソロキャンプのときに愛用している「ソロストーブ」の製作者がまさにそれです。彼は使い勝手のいいウッドストーブを探しまくったのだが見つからず、仕方がないので自分で作り、大ヒットを飛ばしました。

良い道具を貪欲に探し求める人はときに、その道のベテランをも軽々と飛び越えてしまうのでしょうかね。

でもたしかに、かゆい所を自分の手で掻けるのなら、誰かに掻いてもらうよりずっと確実な気がします。消費者目線の製作者、恐るべしです。

 

ランドールナイフとは

さきほどは知ってる前提で書いてしまいましたが、みなさんはランドールナイフというものを知っていますでしょうか?

私も古い雑誌でしか見たことがないのですが、ワイルドで重厚で誰から見てもカッコイイと思えるようなナイフです。

気になった人は以下にリンクを貼るので一度見てみてください。ラブレスナイフとは別ベクトルで欲しくなること請け合いです。

個人的には「M-11 アラスカンスキナー」と、「M-18 アタックサバイバル」が好きかなぁ。ただ、M-18は寒冷地ではハンドルが冷たくて辛そう。

https://www.aandf.co.jp/brands/randall_made_knives

 

ストック&リムーバル法という新たなナイフ製法を考案

ラブレス氏は品質の良いナイフを作るだけでなく、新しい製法を次々に生み出して刃物業界に革命をもたらしたと言われています。

その顕著たる例が「ストック&リムーバル法」

これについて素人の私が話すには説得力に欠けてしまうのですが、ざっくりと説明すると、それまでのナイフ製作は金槌で鉄をカンカンと打ちのばして刃の形を作る「鍛造」という製法が主流でした。

ところがラブレス氏はナイフ作りを始めた早い段階で、鉄の板を切り出して刃のだいたいの形を作ってからヤスリで削って形を整える「ストック&リムーバル法」を考案。

この製法には、誰にでも作りやすい、鍛造ほど設備が整っていなくてもできるというメリットがあることから、そこからナイフ製造の主流が、鍛造からストックリムーバル法へと変わっていったそうです。

ナイフの神様と呼ばれるからには、誰にも真似できない製法なのかと思いきや、完全にその逆をいっていたのですね。

 

フルテーパードタングという新たなタング構造を考案

フルタングという言葉を聞いたことがある人は多いと思います。

鋼材がハンドルの先まで突き出ており、バトニングなどのハードな作業に耐える堅牢さを持ったタング構造なのですが、重くて重心がハンドル側に偏ってしまうという弱点を持っています。あと炭素鋼だと突き出た部分が錆びやすいとか。

ラブレス氏はハンドルエンド側のタングを薄く削って強度と重量のバランスに優れた新たなタング、「フルテーパードタング」を考案し、またしてもナイフ業界に革命をもたらしたそうです。

しかも彼が使う鋼材は錆に強いステンレス。とことん実用性にこだわってナイフを作っていたことが伺い知れますね。

 

ヌード刻印のレア度

ラブレスナイフのブレードには女性のヌードが刻印されているものがあります。

中には裏面にも女性の背中側が描かれた「ダブルヌード」と呼ばれるものもあり、かなりレアだそうです。

レア度としては、「ダブルヌード」→「ヌード」→「刻印なし」の順になるのかな?

若い頃、雑誌でラブレスナイフを見たときは「このヌードがなきゃすごくカッコいいのに!」なんて全国のナイフファンからぶん殴られるような感想を抱いたものですが、今見るとこれこそがラブレスナイフの証って感じがしますね。

 

現在は値段が高騰

ラブレス氏は2010年に逝去し、彼の手で作り出された新品を入手することができなくなりました。

今では中古品がオークションで高値で取引されており、高いものだと250万円もするようです。

ラブレス氏自身はコレクションナイフではなく、実用ナイフとしてガシガシ使ってほしい気持ちだったみたいですが、彼の思いとは裏腹に観賞用として扱われている印象が強いです。

でも使いたくない気持ちは分かる。だって使ったら傷つくし刃が減るもん(笑)

 

日本人の弟子がいる

ラブレス氏には弟子と認めた人間が2人だけいたそうで、一人はS.R.ジョンソン氏。もう一人は相田義人氏。なんと日本人です。

相田氏はラブレス氏のナイフ製作技術を継承しながらも、独自の味を出したカスタムナイフを作り続けています。

彼曰く、自分はラブレスを絶対に超えることはできないし、これから先もラブレスを超える者は現れないだろうとのこと。

また、彼から見たラブレス氏は、良いアイデアが閃くと「お前もこうするといいよ」と、一切秘密にしないで教えてくれる師匠だったそうです。

新品のラブレスナイフはもう買えませんが、ラブレスのノウハウを継承した相田義人氏のナイフなら新品で買うことができます。

そしてもう一人、ラブレス氏の弟子ではないですが、吉川英治氏というカスタムナイフ職人もまた、ラブレスナイフを踏襲した素晴らしいナイフを作っているようです。和の要素が加わった雰囲気ですごいカッコイイですよ。

 

神様と呼ばれる理由

ラブレス氏の逸話をふまえ、彼がなぜナイフの神様と呼ばれていたのか、考察をまとめてみました。

・人並はずれたナイフづくりの才能

・ストック&リムーバル法という革新的な製法を考案した

・フルテーパードタングという重量バランスに優れた強固なナイフを考案した

・製法を企業秘密にするどころか積極的に公表しちゃう

・本人は実用ナイフを目指してるのに観賞用にされるくらいデザインが完璧

才能があって、次々に新しい製法を生み出して、そのうえノウハウを秘密にしない器の大きさ。これらのことがナイフの神様と呼ばれる所以なのではと思います。

個人的には、自分でナイフを作ろうと踏み切ったところに特にカリスマ性を感じました。

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