こんにちは!のとむらです。大人になると、真面目に生きるのは損だなぁと思うことがありますよね。
ですが、今まで真面目に生きてきた人が急にはっちゃけ出すのも不自然なもの。20代ならまだしも、30代や40代になってから生き方を変えるのはハードルが高いです。
ゼロからやり直すのがダメってわけではないですが・・・
「今までやってきたことも間違いじゃなかった」と思えたほうが、よりいっそう幸せになれる気がするんですよね。
そこで今回は、真面目に生きることに疲れた、バカバカしくなった人たちにおすすめの絵本を紹介させていただきます。
結末は伏せますが、一部ネタバレを含みますのでここから先はご注意ください。
木を植えた男 ジャン・ジオノ(著)

どんなお話か、あらすじを言いますと・・・
一人のおじいさんが残りの人生を使って、荒れ果てた大地に木を植えようとする物語です。
こちらのおじいさん、元は普通に暮らしていたのですが、あることをきっかけに山奥に移り住み、羊飼いをしながらどんぐりを一日100個植えるというルーティンを始めます。
とまぁ、あらすじはここまでにしておきましょう。
いちおう絵本ですが、大人でも全然読めます。むしろ小さいお子さんには難しいかも。
気になった方はぜひ読んでみてください。
では続いて、私が感動したポイントを5つお伝えしたいと思います。(やはり若干ネタバレを含みますのでご注意下さい)
1.承認欲求ゼロ
人は何か壮大なことを計画するとき、誰かに言いたくなったり、成果を上げて認められたいと思ったりするものですが…
おじいさん、木を植える活動をしていることを誰にも言わないんですよね。
承認欲求がゼロなんです。
本作の語り手である旅の青年が偶然おじいさんに出会うまで、マジで誰にも知られていませんでした。
なんの見返りも求めていないがゆえ、真面目に生き続けることができたのかもしれません。
2.誰にも会わなくても身だしなみは完璧
おじいさんは羊飼いなので、多少は他人との交流があったと思うのですが・・・
本作では、ほとんどの時間を一人で過ごしているかのように描かれています。
ところがおじいさん、誰が訪ねてこなくても家の中は常に完璧に掃除し、ヒゲも服装もきっちり整えていらっしゃるのです。
承認欲求ゼロなのに、他人とのコミュニケーションに手を抜かないところがすごいなと思いました。(本人が好きでそうしていた可能性もありますが)
そのおかげで彼と会った人には好印象を持たれるわけですが、たまにしか会わない人のために毎日清潔にしておくなんて、なかなかできることではありません。
3.クールで素直
おじいさんは基本的にクールなんですが、聞かれたことに対しては素直に答えてくれます。
無口なだけで、偏屈ではないんですよね。
羊飼いの仕事をしながら、どんぐりを一日100個植える日課をこなしているにも関わらず、他人への接し方が丁寧です。
真面目に生きていると「俺は気楽なお前とは違って忙しい」的なオーラが出てしまいがちですが、おじいさんにはそういった卑屈さのカケラもありません。
おそらく自分で納得して選んだ道だからでしょう。
ちょっとでも「誰かのために頑張っている」という気持ちがあると、心に余裕が持てなくなったりしますからね。
才賀勝も言っていましたよ。「自分が選んだコトやってる時って、思ったよりしんどくないんだよね。」と。
あれ?違う話になっちゃった?
4.決して無敵ではない
おじいさんは気の遠くなるような作業を淡々とこなすのでメンタル無敵に見えるのですが、何度も挫折を味わっています。
感情を表に出さないだけで、心の中は傷だらけなんですね。
この絵本を読み終えたとき、どんな人も葛藤を抱えているんだよなぁと、改めて思いました。
真面目に生きていると、楽しくテキトーに生きてやっている人たちが羨ましく見えますが、もしかしたら彼らもそう見せているだけで、本当は疲れているのかもしれません。
5.絵の熱量がすごい。
この絵本はフレデリック バックという人が挿絵を描いているんですが、とにかく熱量がすごいです。
絵を通して、その世界の季節感や人の感情までもが伝わってきます。
表紙の絵も素敵ですが、中の絵はもっと素敵なので、ぜひ読んでみてほしいです。
おわりに
私が「木を植えた男」を最初に読んだのは19歳のとき。それから15年以上経つのですが、今も心の支えとなっています。
理由はこの物語のおじいさんが自分の姿にちょっと重なったからです。
私は子どもの頃から特別な才能がなく、むしろ何をやらせても平均以下でした。
でも毎日コツコツと小さな努力を積み重ねることだけは得意で、その結果報われたことが何度かあったんですよね。
真面目に生きていて挫けそうになったとき、「自分は木を植えるタイプなんだ」ということを思い出して、奮い立たせています(笑)

木を植えた男
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