こんにちは!のとむらです。ブッシュクラフトで色々なナイフを使い比べているうちに、それぞれの特性やメリットデメリットが分かってきて…
自分が理想とするブッシュクラフトナイフ像が見えてきました。
そこで当ブログを通して、自分なりの研究結果をレポートしていきたいと思います。
第13弾は、メンテナンス性に特化したナイフについてです。
ナイフに必要なメンテナンスとは?
・刃を研ぐ、刃こぼれやめくれを修復する
・サビを落とす、防ぐ
・汚れを落とす、傷を消す
・シースのツヤを保つ(革の場合)
だいたいこのぐらいですかね。
どこまでやるかは人それぞれかなと思います。
私は無骨な雰囲気をまとわせるのが好きなので、そんなに徹底はしていません。
メンテナンス性に特化したナイフは?
【研ぎやすさ】
・ブレードが短く、真っすぐな部分が多い
・ベリーラインがゆるやかorタントー
・刃角が鋭い
・鋼材が硬すぎず、柔らかすぎない
【サビにくさ】
・鋼材がステンレス
・水分が溜まる隙間が少ない構造
【傷と汚れへの強さ】
・ブレードの表面が硬い
・ブレードに強力なコーティングが施されている
・ハンドルとシースが水分や汚れを吸着しにくい素材で出来ている
こういったナイフが、メンテナンス性に特化しているかなと思います。
まず研ぎやすさについて。
最近では簡単に扱える研ぎ器の開発が進んでいますが、それでも多少なりフリーハンドな動きが伴います。
ブレードが短く、薄く、まっすぐな部分が多いほど、手を動かす距離や回数が少なく済むので上手く研ぎやすいです。刃角も鋭利なほど砥石に当てやすくなるので、結果的に良い刃を付けることができます。
鋼材については柔らかいほど研ぎやすいと言われていますが、そのぶん刃持ちは悪くなるので研ぐ頻度が増えてしまいます。
バランスを考えると、普通か、ちょっと硬めの鋼材が良いかなと思います。
HRCで言うと58~60ぐらいでしょうか。
次にサビにくさについて。
炭素鋼よりステンレスのほうがサビに強いのは言わずもがな。ステンレスの中でもさらに序列がありますが、海辺で使うのでなければ、あまり気にしなくても大丈夫です。
むしろ注意しなくてはいけないのは構造ですね。水分が溜まるような隙間があると、いくらステンレスでもピンポイントで錆びてしまうことがあります。
そういうナイフはあらかじめ避けるか、水に濡れたら必ず拭き取るようにしましょう。拭き取りが難しい場合は、ブンブン振って水分を飛ばすのもアリです(ただしすっぽ抜けに注意)
最後は傷と汚れへの強さについて。
ブレード鋼材は硬いほど切れ味が良い傾向にありますが、じつは傷と汚れにも強い傾向にあります。
ただしラミネートブレードの場合、芯材は硬くても両サイドの鋼材が柔らかいため、チョッピングやバトニングをすると傷が入りやすいです。
塗装したようなコーティングは汚れが付きやすく、洗ってもなかなか落ちませんが、フィルムのようなコーティングは汚れにくく、傷も付きにくいですね。
ハンドルはG10やグラスフィルドナイロン、シースはカイデックスやプラスチックなどが水濡れと経年劣化に強くて良いと思います。
実例
モーラナイフ「ガーバーグ ステンレスモデル」。
刃長約109mm、刃厚約3.2mmと、シンプルなブレード形状で研ぎやすい。
ブレード、ハンドル、シース、付属パーツ全ての素材が水濡れに強く、
シースの内側には刃が触れない設計のため、汚れたままでも気兼ねなくナイフを収納できる。
ケラム「ウルヴァリン」。
刃先がキンキンに尖ったスカンジグラインドで、ベリーラインも緩やかなため研ぎやすい。
炭素鋼なのでサビには弱いが、シースの内側に刃が触れない設計のため、入れっぱなしで保管していても錆びない。
バークリバー「ブラボー1 A2」。
コンベックスグラインドで革砥との相性がバツグン。
かるく数回滑らせるだけで切れ味が蘇るので、研ぎが苦手な人でも何とかなる。
ただしサビには弱く、付属の革シースに入れっぱなしにしていると錆びるのはもちろん、別々に保管していても錆びることがある。
キャンバルマイカルタハンドルの場合、日焼けや摩擦によって色褪せたり、丸いピンの部分も皮脂による化学反応のせいか、変色してしまうことがある。
研ぎやすいが、美観性を保つのは大変な印象。
コールドスチール「SRK VG-10」。
刃角が鋭利で研ぎやすく、ステンレス鋼でサビにも強い。
ハンドルは少し柔らかいので、ぶつけたりすれば傷が入ってしまうが、普通に使うぶんには問題なく、
シースは硬くて傷が入っても目立ちにくく、水濡れにも強い。
良いナイフでありながら、ガシガシ使える気軽さもある。
以上、メンテナンスに特化したナイフについてでした!
ナイフの素材の組み合わせはたくさんあるので、メンテナンス性が完璧なナイフを見つけるのはなかなか難しいです。
研ぎやすさを重視するか、サビにくさを重視するか、はたまた美観性を重視するか、といった感じで、優先順位をつけて選ぶのが良いと思います。
モーラナイフ Morakniv Garberg Standard
KELLAM Wolverine ケラム ウルヴァリン
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