こんにちは!のとむらです。職人さんが一本一本、手作業で製作するカスタムナイフ。
私はこれまでたくさんのファクトリーナイフ、セミカスタムナイフを使ってきましたが、完全なカスタムナイフはまだ持ったことがなかったので、このたび買いました。
その名はキクナイフ「ポリスユーティリティー・ラージ」。
破壊力と機動性を兼ね備えた、実用性の高いナイフなのです。
キクナイフとは?
岐阜県関市に拠点を置く、ナイフ職人の菊池さんが立ち上げたカスタムナイフメーカー。
息子さんとお孫さんもナイフ製作に携わり、その技術は脈々と受け継がれているそうです。
元々カスタムナイフメーカーの中でも有名でしたが、かほなんさんとコラボした「さばいどるナイフ」でさらに広く知られるようになりました。
キクナイフ ポリスユーティリティー・ラージ

そして今回紹介するのがこちらの「ポリスユーティリティー・ラージ」。
とある公務員からのオーダーを受けて製作されたそうです。
重厚かつ、雷が轟いているような模様が印象的ですね。

どっしりとした雰囲気でありながら、ギラリと鋭い光を放つブレード。
この模様はエッジングと呼ばれる酸化皮膜で、見た目がカッコイイだけでなく、サビを予防する効果もあります。

刃長は約144mm。十分な余裕があり、取り回しに影響が出ない絶妙な長さです。
ブレード形状は万能型であるドロップポイント。
エッジ形状は切れ味と耐久性が両立されたコンベックスグラインドとなっています。
ちょっと脱線しますが・・・コンベックスはとても良いですよ!
私がナイフ趣味を始めたての頃は、研ぐのが難しそうで敬遠していたのですが、じつは簡単に研げることが分かり、今では一番好きなエッジ形状となっています。

刃厚は約6mm。ケーバーのベッカーBK2ほどではないですが、なかなかの厚みです。

ハンドルはキャンバスマイカルタ。荒々しい形状がカッコイイですね。

エンド部分はわずかに突き出していますが、ここはバトニングで叩けそうにありません。

手に持つとこんな感じ。
ずっしりとしているものの、重すぎるということもなく、操作性が良いです。
重心はややブレード寄りで、チョッピングの威力が期待できます。

後ろのほうを持って打ち込めば遠心力効果で?さらに威力がアップしそうです。

細かい作業をするときは、ランプに指を置けます。

シースは耐久性が高くて水濡れに強いカイデックス。

裏側には別売のベルトデバイスを取り付けました。

ボタンを押すとパカッとクリップ部分が開き、ベルトに装備することが可能となります。

普通のシースナイフのように縦向きにもできますが、私がやりたかったのが侍スタイル。

シャツをインしていようがいまいが支障なく、
このように片手でナイフを取り出すことができます。

そして横向きなので、座ってもシースが地面に接触しません。
ブッシュクラフトでは立ったり座ったりを繰り返すので、とても便利です。
ただ、このナイフ自体が重くてジーンズへの負担が大きく、あとで見たら伸びちゃっていました(笑)
サバゲーで使うようなタクティカルベルトなんかをお腹に巻いて装備したほうが良いかもしれませんね。
切れ味
それでは切れ味を見てみましょう。まずはコピー用紙から。

少し引っかかりますが、キレイに切れました。

続いて、わりばしフェザースティック。薄く削るのが難しいです。
エッジを見てみたらけっこう丸まっていました。
耐久性をもたせるために、あえてそうしているのでしょう。革砥でストロッピングすれば簡単に鋭くなると思います。
初期の切れ味は80/100点といった感じですね。
それではいよいよフィールドテスト。
直径6cmほどの枝をチョッピングしていきます。

見事に切断できました・・・が、エッジが丸みを帯びているため食い込みが悪いです。軽い力で叩いてもなかなか削れていきません。
素手だと少し痛いですね。手袋推奨。
このナイフの威力を最大限に発揮するには、大きく振りかぶってハンマーのように叩きつける必要があります。
大きく振りかぶると、そのぶんケガしやすくなるので、リスクと引き換えの性能って感じですね。

続いてバトニング。

薪が思った以上に堅く、進まなくなってしまったので・・・

安定した土台と重い叩き棒にチェンジ。見事に割れました。
拡大写真を撮り忘れてしまったのですが、刃こぼれは当然のようになく、擦れた傷すら見当たりませんでした。強すぎです・・・!
ナイフ全体が頑丈なので、ガンガン叩けますね。

割った薪でフェザースティック。
エッジが丸いので、滑ったりしてなかなか上手く削れません。
また、力を入れると手袋をしていても手が痛くなります。
【結論】
斧や鉈というより、ハンマーに刃が付いたようなナイフ。切ったり削ったりする作業には不向きだが、粉砕する能力は高くて頑丈。
このナイフを買った理由
カスタムナイフを一本は持っておきたかったからですね。
予算的にそう何本も買えないので、デザインと実用性のどちらも優れたものにしようと思い、選びました。
キクナイフは高価ですが、ハードな作業を想定したモデルが多いので、もったいながらずに使うことができそうです。

KA-BAR アウトドアナイフ カンパニオン ベッカー BK22
こちらはポリスアンドユーティリティーに近いサイズ感のファクトリーナイフ。
ほぼ同等の破壊力と耐久性があります。
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